緊張するとお腹が痛くなる、よく下痢をする、いつも便秘でお腹がスッキリしない、夕方になるとお腹が張ってくる、ストレスを感じるといつも胃が痛くなる、などのお腹の症状によく悩まされている。
そんな時に、 "お腹トラブル"
“お腹トラブル”のご紹介
コロナ禍での社会生活を強いられている現在、様々な行動制限や活動抑止があり、多くの方々が何らかの悩みやストレスを抱えており、特に20~50代でその割合が高くなっています。長期的にストレスにさらされると、当然、身体や心に大きく影響し様々な変化をもたらします。身体や心にかかるストレスには、暑さや寒さ、騒音などの物理的要因や薬品や公害物質などの化学的要因、さらに人間関係、仕事や家庭の問題などの心理社会的要因などがあり、人との交流がスムーズに出来ないコロナ禍においては、その影響が大きくなりやすいことが懸念されています。
私たちは何らかの刺激を受けると、心と身体に変化が生じます。例えば、緊張すると、胸がドキドキしたり、やたら汗が出たりする方がいると思いますが、まさにその反応のことです。これは本来、危険から身を守るための生体の防御反応ですが、ストレス状態が継続すると、睡眠の質の低下、頭痛や腹痛など様々な不調につながることがあります。その中でも特に、慢性的なストレスと胃腸の関係が最近注目されるようになりました。
不安や緊張からお腹が痛くなりトイレに行きたくなる、また、新しい職場やクラスが変わるなど環境が変わった時や旅行先で下痢や便秘を経験される方もいると思います。 近年、脳から腸への影響だけでなく、腸の状態の様々な変化が脳に伝わり、気分や感情など心の状態にも影響を及ぼすことが分かってきました。この脳と腸が互いに影響を及ぼし合う関係を「腸脳相関」と言いますが、逆に言えば、この腸脳相関の存在がストレス社会に生きる多くの方のお腹のトラブルを引き起こしていると言えるでしょう。
そこで、我々はカウンセリングを通じて、お腹のトラブルでお悩みの皆さんの心を整えるお手伝いをさせて頂き、その結果、お腹の調子を上げる、或いは悪くならないように維持していきたいと考えています。
機能性ディスペプシア (FD)、過敏性腸症候群 (IBS) とは?
機能性ディスペプシア(FD:functional- dyspepsia)は、2013年に名付けられた病名であり、それまでは神経性胃炎やストレス性胃炎と呼ばれていました。胃に炎症や潰瘍などの異常が無いにもかかわらず、胃痛や胃もたれなどの症状を起こす病気であり、「ディスペプシア」とは消化不良のことです。
過敏性腸症候群 (IBS: irritable bowel syndrome) は、腸が刺激に対して過敏な状態となり便通の異常を引き起こす病気です。FDと同様に、腸に炎症や潰瘍などの異常が無いにもかかわらず、慢性的に腹部膨満感や腹痛、下痢や便秘などの便通異常が現れます。
いずれも命に関わる病気ではありませんが、胃痛やお腹の痛み、繰り返す便秘や下痢などのお腹の不調により、有意に日常生活に支障を来します。
FD/IBSの原因
精神的ストレスや睡眠不足や不規則な生活、過労などによる自律神経失調を背景に、FDは、胃が十分に働かないことで食べ物がスムーズに十二指腸に送れなかったり、胃酸過多になったりするのが主な原因です。また、ヘリコバクター・ピロリ菌感染症の他、脂っこい食品や激辛食品、過食、早食いなどの食生活も大いに影響します。
IBSも精神的ストレス、自律神経失調を背景に腸の内蔵神経が過敏になっていることが考えられますが、細菌やウイルスなどの感染、食物のアレルギー、また高カロリー食・高脂肪食などの特定の食べ物、さらには下剤などの薬も原因として考えられており、まだ全てが明確になってはいません。
FD/IBSの症状
FDの主な症状は「食後のもたれ感」「少し食べるだけでお腹が一杯になる」「みぞおちのあたりの痛み(心窩部痛)」「胸焼け」や「吐き気、げっぷ」など非常に多彩です。ご本人にとって多くの症状はとてもつらく、生活の質を大きく低下させてしまいます。
IBSも「便秘型」「下痢型」「混合型」「分類不能型」の4つの型に分けられ、腹痛、便秘や下痢、軟便や硬便が変化する、腹部の張り、便に粘液が混じる、排便後の残便感、ガスが溜まるなど、人によって様々な症状が出現し、日常生活に大いに影響します。
FD/IBSの診断
症状だけでFDの診断を下すことはできません。FDの診断には、似たような症状を示す他の病気(胃・十二指腸潰瘍、ピロリ菌感染性胃炎や胃がんなど胃の器質的疾患や、胃の周辺臓器の悪性腫瘍など)がないことを内視鏡検査や腹部超音波検査で確認し、除外診断をすることが重要です。
IBSも内視鏡検査やレントゲン検査、血液検査などでは特に異常は認められないことが特徴的であり、症状の特徴からローマ基準という診断ガイドラインに従って診断されます。「過去3ヵ月間に少なくとも週1回の頻度で腹痛が見られ、かつ以下の基準の2つ以上に該当する場合」は確定です。
- 排便に関連した痛みがある
- 痛みが排便回数の変化(便秘または下痢)に連動している
- 痛みが便の硬さの変化に連動している
FD/IBSの治療
FD/IBSに対しては、食生活の改善を行うこと、ストレスの原因を取り除くこと、そして適切な内服治療が挙げられます。
食生活などの生活習慣の改善を行う
まずは、食生活などの生活習慣を見直し、必要に応じて改善することです。暴飲暴食や夜遅い時間の食事、脂肪分の多い食事などを避けて、規則正しい適量の食生活を心がけることが大切です。可能な範囲で朝ご飯を食べる習慣も大事です。
辛い物や刺激の強い食べ物や過度なアルコール摂取も控えるようにしましょう。また、食物繊維と水分の摂取を意識し、出来る限り食事を同じ時間帯にしてライフサイクルを安定させましょう。
ストレスを溜めない生活
次に、ストレスを溜めないような生活を送ることが良好な管理に繋がり、しっかりと良質な睡眠を取った上で、適度な運動を行う生活に徐々に変えていきます。また、日常生活の中で、気持ちがリラックスできる時間を確保しましょう。
趣味を見つけて楽しむこと、散歩やスポーツなどの自分に合った運動習慣などで気分転換することも大切です。
薬物治療を行う
IBSは、排便性状から「下痢型」「便秘型」「混合型」「分類不能型」に分けられ、腹痛などの症状と併せて内服治療を行います。消化管機能を改善する薬剤や、便の水分バランスを整える薬剤、また下痢や便秘などの症状を緩和させる薬剤を服用します。
また、精神症状が現れる場合は、抗不安薬や抗うつ薬などを併用することもあります。抗うつ薬は、睡眠障害や抑うつ、不安の緩和だけではなく、多くのIBS患者さんで腹痛や下痢、腹部膨満感などの症状を緩和させるのに役立ちます。
腸脳相関について
腸脳相関とは、まさに脳と腸が相互に影響を及ぼし合うことを示していますが、例えばストレスを感じるとお腹が痛くなり、便意をもよおすのは脳が自律神経を介して、腸にストレスの刺激を伝えるからですが、逆に腸にウイルスなどが感染すると、脳で不安感が増すと言われています。また“食欲”についても、消化管から放出されるホルモンの影響が報告されており、腸の状態が脳に影響していることを意味します。
そして最近、腸内に常在する細菌も脳の機能に影響を及ぼすことが明らかとなり、「脳-腸-腸内細菌相関」という新しい言葉も提唱されてきました。腸内細菌の脳への影響のメカニズムについては多くの研究が進んでいますが、脳と腸を結ぶ迷走神経を介して腸内細菌が脳へ影響していることが明らかになりました。
さらに、以前は脳が全身を支配していると考えられ、脳で感じた不安が腸に伝えられて何らかの症状が出現すると考えられていましたが、やはり最近の研究で腸には腸管神経系という独自の神経ネットワークが発達しており、感知した様々な情報を処理して脳へ伝達していることも分かってきました。
腸との関連で言えば、副交感神経が優位になったときに腸は活発に動き、お腹が動き消化が進みます。ストレスを感じる時は交感神経優位になりやすく、食欲が低下したり、胃もたれを起こしたりします。また、腸内フローラのバランスが崩れ、悪玉菌が優勢になり、便秘や下痢を引き起こしやすくなります。腸の働きが鈍くなると、その情報を脳がキャッチして、さらにストレスになります。
逆に、脳がリラックスしている時は、腸内フローラのバランスが整えられ、腸の働きが良くなります。適切に腸が動き、腸内フローラが安定すると、脳が不安を感じることも抑えられるわけです。つまり、ストレスを溜め込まないことが一番ですが、ストレスが無い生活は無理なので、ストレスがある時こそ、食事や生活習慣を見直して腸内環境を整えることが大事です。
お腹トラブルが選ばれる理由
独自性
我々は独自に考案したアンメッド流カウンセリングを取り入れております。機能性ディスペプシア/過敏性腸症候群というストレスに関連し、様々な消化器症状によって日常生活の質を著しく損なうことに日々悩まされている方々の声にフォーカスすることで、より専門的な立場からみなさまに寄り添い、本質的で深い会話を通じて心身両面からのカウンセリングを実践し、少しでも良好な管理へつながるようにサポートさせて頂きます。
医学的根拠
関連施設であるUnMed Clinic Motomachiにおいて、院長は消化器病専門医であり、これまでに多くのFD/IBS患者さんの診療歴があり、日々、様々なお腹の悩みを共有しております。積み上げられた臨床経験を背景に、UnMed TiesのカウンセラーはUnMed Clinic Motomachiの医師と継続的に連携しておりますので、安心してご相談下さい。
カウンセラーの質
担当カウンセラーは全員、公認心理士、臨床心理士、保健師または看護師などの国家資格、またはそれに準ずる公認資格を保有しております。また、UnMed Tiesでは定期的に資料の配布を行い、FD/IBSに関する医学的知識を共有し、医師とカウンセラー同士が相互に連携しながら、常に良質なカウンセリングをみなさまにご提供できるよう心がけております。