医師が解説:マンジャロで「何キロ痩せる?」の正しい考え方
① まず前提:体重減少には「個人差」が大きい
マンジャロ(一般名:チルゼパチド)は、GLP-1とGIPという2種類の受容体に作用して、食欲を抑え、血糖を安定させ、体重減少を促す作用があります。
ただし、体重の落ち方は様々な要因で大きく変わります。
| 要因 | 影響内容 |
|---|---|
| 投与量(例:2.5mg → 15mg) | 高用量ほど効果大。ただし副作用リスクも上昇 |
| 使用期間 | 1-2か月では変化が小さく、3〜6か月で顕著になる傾向 |
| 食事・運動 | 食欲が減っても食事量が変わらなければ効果は、減量効果は得られない。もちろん、運動習慣の有無によっても影響を受ける。 |
| 体質(代謝・筋肉量・ホルモン) | 個人差あり |
② 臨床試験データで見る「平均的な体重減少」
米国で行われた大規模試験(SURMOUNT-1試験)では、生活習慣改善を併用した結果:
| 投与量 | 平均体重減少率(72週=約1年半) | 平均減少kg(体重80kgの場合) |
|---|---|---|
| 5mg | 約15% | 約12kg |
| 10mg | 約20% | 約16kg |
| 15mg | 約22.5% | 約18kg |
つまり、1年で10〜20kg前後の減量が現実的な目安となります。
ただし、最初の1-3か月は「身体が慣れる時期」で、体重減少はゆるやかなことが多いです。
よくある誤解:「すぐに痩せる薬」ではない
マンジャロは脂肪を「燃やす」薬ではなく、食欲と血糖のコントロールを助ける薬です。
そのため、
- 食事内容を整える
- 睡眠・ストレスを管理する
- 運動を組み合わせる
これらが揃ってこそ、リバウンドしにくい良好な減量が実現します。
④ 医師がすすめる「考え方の目安」
| 期間 | 体重減少の目安 | コメント |
|---|---|---|
| 1〜3か月 | 体重の3〜5%(例:2〜5kg) | 身体が慣れる期間 |
| 3〜6か月 | 体重の5〜10%(例:3〜10kg) | 食欲抑制が安定 |
| 6〜12か月 | 体重の10〜20%(例:8〜20kg) | 代謝も改善 |
⑤ 効果が出にくい人の特徴
- 摂取カロリーのベースが高い(「少し減らしてるつもり」状態)
- 便秘・胃もたれで薬が吸収されにくい
- 投与量が低く、増量タイミングが遅い
- 睡眠不足・ストレスでホルモンバランスが崩れている
これらに当てはまる場合は、医師と相談しながら投与量の調整や生活習慣の見直しが必要です。
まとめ:正しいゴール設定
| 誤った考え方 | 正しい考え方 |
|---|---|
| 「何キロ痩せるか?」 | 「どのくらい健康的に痩せられるか?」 |
| 「すぐに効果が出る薬」 | 「長期的に体質を変える治療薬」 |
| 「薬に任せる」 | 「薬+生活習慣の改善がセット」 |
マンジャロ(チルゼパチド)の効果を最大化するための食事スケジュールは、「胃腸への負担を最小限にしながら、血糖・ホルモンバランスを安定させる」ことがポイントです。
以下は、医師監修レベルでまとめた「マンジャロ使用中に最適な1日の食事スケジュール例」です。
マンジャロ効果を最大化する1日の食事スケジュール例
朝(6:00〜8:00)
目的:血糖を安定させ、食欲ホルモンを整える
| 時間帯 | 内容 |
|---|---|
| 起床後すぐ | コップ1杯の常温水 or 白湯(胃腸を起こす) |
| 30分以内 | たんぱく質中心の軽い朝食(炭水化物もOK) 例:ゆで卵+無糖ヨーグルト+バナナ1/2本 |
| 飲み物 | ブラックコーヒー or 緑茶(糖なし) |
ポイント
- 空腹で放置すると血糖が下がり、昼食でドカ食いしやすくなります。
- 炭水化物の量はそこまで意識しなくていい。
昼(12:00〜13:00)
目的:血糖の急上昇を防ぎ、満腹感を長持ちさせる
| 食事内容 | 例 |
|---|---|
| メイン | 鶏胸肉・魚・豆腐など脂質の少ない主菜 |
| サイド | 野菜スープ、ブロッコリー、豆類など |
| 主食 | 雑穀米・オートミールなど少量(握りこぶし半分目安) |
ポイント
- 「野菜 → たんぱく質 → 炭水化物」の順で食べる。
- GI値(血糖上昇度)が低い炭水化物を選ぶ。
- 満腹でも「腹八分目」で止める。
間食(15:00〜16:00)
目的:空腹による過食を防ぐ
| 内容 | 例 |
|---|---|
| 軽い間食 | プロテインドリンク、ナッツ10粒程度、チョコ2-3個 |
| 飲み物 | 水・炭酸水・コーヒー |
ポイント
- 夕方の血糖低下による晩御飯の「ドカ食い」防止に効果的。
- 甘いものを取るならここで少量に抑えると夜に響きにくい。
夜(18:00〜20:00)
目的:消化負担を抑え、脂肪合成を防ぐ
| 内容 | 例 |
|---|---|
| メイン | 魚・豆腐・鶏肉・温野菜など消化の良いもの |
| 炭水化物 | 少量の豆腐・雑炊・スープ類でOK |
| 飲み物 | 常温水 or 白湯 |
ポイント
- 夜は糖質・脂質を控えめに。
- 寝る3時間前までに食事を済ませる。
就寝前(22:00〜24:00)
目的:血糖を安定させ、夜間の代謝を高める
| 内容 | 例 |
|---|---|
| 軽い補食(空腹時のみ) | ギリシャヨーグルト・プロテイン少量 |
| 水分補給 | 白湯・ノンカフェインハーブティー |
ポイント
- 夜中の空腹感は睡眠の質を下げるため、軽く補うのはOK。
- 甘い飲み物やアルコールは厳禁。
効果を最大化するコツまとめ
| 項目 | 実践ポイント |
|---|---|
| 食べる順番 | 野菜 → タンパク質 → 炭水化物 |
| 食間 | 4〜6時間あけて血糖リズムを一定に |
| 水分 | 1.5〜2L/日を目安にこまめに補給 |
| 運動 | 食後15分の軽い散歩が脂肪燃焼を促進 |
| 睡眠 | 6〜7時間以上、質を優先 |
患者さんがよく知りたがるQ&A
マンジャロをやめたらリバウンドしますか?
一時的に食欲が戻るため、体重が増えやすい時期があります。
ただし、やめた瞬間にすぐリバウンドするわけではなく、「やせた後の食生活を維持できるか」がカギです。
リバウンドを防ぐには、
- 少量でも満足できる食習慣を身につけておく
- タンパク質をしっかり摂る
- 週2〜3回の軽い運動を継続する
といった行動が効果的です。
マンジャロの副作用はどのくらいの割合で起こる?
臨床試験では、吐き気・下痢・便秘・食欲低下などの軽度な胃腸症状が20〜30%程度に見られました。
多くは「開始直後または増量時」に現れ、数週間で慣れるケースがほとんどです。
水分をしっかり取り、急な食事量の変化を避けることで軽減できます。
マンジャロと他のGLP-1薬(リベルサス・オゼンピックなど)はどう違う?
マンジャロ(チルゼパチド)はGLP-1とGIPの2種類に作用する「デュアルアゴニスト」です。
従来のGLP-1薬(例:リベルサス、オゼンピック)より食欲抑制効果が強いと報告されています。
ただし、個人差が大きく、副作用リスクや費用面も考慮して医師と相談することが大切です。
注射のタイミングはいつがベストですか?
マンジャロは週1回の皮下注射で、基本的に「曜日を固定する」ことが推奨されます。
朝・昼・夜どの時間でも構いませんが、
- 食事後に吐き気が出やすい人 → 朝〜昼前に注射
- 忙しい人 → 週末などゆっくりできる日に固定
というように生活リズムに合わせるのがコツです。
打ち忘れた場合は4日以内に補うと効果を維持しやすいです。
マンジャロで「筋肉が落ちる」ことはありますか?
急激な食事制限や低たんぱく食を続けると、脂肪だけでなく筋肉量も減少する可能性があります。
筋肉が減ると代謝が落ち、停滞期が長引くことも。
予防策として、
- 毎食たんぱく質(体重×1.2〜1.5g/日目安)
- 軽い筋トレやウォーキング
を意識することが重要です。
マンジャロの費用はどのくらい?保険は使えますか?
- 糖尿病治療目的の場合 → 日本では保険適用あり(3割負担で月3,000〜5,000円程度)
- 肥満治療目的(やせ薬としての使用) → 保険適用外(自由診療)で月3〜6万円程度が一般的です。
クリニックによって差があるため、オンライン診療を含めて比較するのが良いでしょう。
マンジャロを使える体重やBMIの目安は?
基本的にBMIが27以上(肥満症)、または25以上+合併症(高血圧・脂質異常・糖尿病など)がある場合に治療適応とされています。
やせている方が使うと低血糖や栄養不足などのリスクがあるため、医師の診断が必須です。

