花粉症の治療

花粉症の原因と発症の仕組み

そもそも花粉症はなぜ起こるのか?
花粉症は、さまざまな植物の花粉が引き起こすアレルギー反応の一つです。本来は無害なはずの花粉が人体に異常をもたらすそのメカニズムには、体を守るための免疫機能が大きく関わっています。
花粉症の場合、免疫機能が植物の花粉を異物(アレルゲン)と誤認し、過剰に働いて体内に「抗体」を作ります。この抗体は花粉に接触するたび身体に蓄積されていき、その人の許容範囲を超えると、症状としてくしゃみや鼻詰まり、目のかゆみなどのアレルギー反応を起こします。
また、遺伝的要素もあり、生まれつきアレルギー体質の人は花粉症になりやすいと言われています。その上、食生活の乱れや睡眠不足、運動不足、ストレスなどが重なると免疫のバランスが崩れ、花粉症がひどくなることがあるので注意が必要です。

花粉症を起こす植物の種類

原因となる植物は様々ですが、日本人の花粉症患者の約8割はスギ花粉症であると言われています。スギに反応する人はヒノキ科の植物にも反応することが多いため、症状が長引く傾向にあります。次に多いのがイネ科植物による花粉症で、カモガヤ、スズメノテッポウなどが該当しますが、お米の稲は花粉を遠くまで飛ばさないため、あまり影響はありません。また、ブタクサやヨモギといったキク科の植物も花粉症を引き起こします。スギやヒノキが冬から春にかけてピークを迎えるのに対し、キク科植物は秋が花粉飛散シーズンとなります。つまり、一年を通して花粉症になる可能性があるのです。根本から解決することは難しいですが、花粉が飛散する時期に合わせて適切に薬物治療を始めれば症状をコントロールすることが可能です。

花粉症の症状と新型コロナウイルス感染症の違い

花粉症(アレルギー性鼻炎)と新型コロナウイルス感染症の症状は、鼻水やくしゃみ、鼻詰まり(鼻閉)、味覚の変化など似ているものがあります。
そのため、この症状は花粉症なの?と不安になる時もあるかと思います。しかし、同じ鼻水でも花粉症の鼻水は透明でサラサラとしていることが多く、逆に感染症の鼻水は粘り気を伴うことが多いです。また、新型コロナ感染症では発熱や嗅覚障害が、鼻閉がなくても生じるのに対し、花粉症ではほとんどの場合で鼻閉を伴うなど、細かな点が異なります。
しかし、自己判断は難しいこともあると思いますので、「もしかして……」と思ったら、かかりつけ医や厚生労働省や各自治体の指定する相談窓口へご相談下さい。

花粉症の予防

これから花粉症にならないために

今は花粉症と無縁でも、大量の花粉を吸いこんだり、目に入ったりすることで抗体が作られ、花粉症を発症するリスクは高まります。そうならないためには、できる限り花粉に触れないことが一番です。同時に、生活習慣を見直して、花粉症に負けない体づくりをしておくこともお勧めします。日頃からバランスの良い食事、良質な睡眠を意識することで、免疫機能を正常に保つことができ、花粉症の予防や症状の緩和につながります。一方、飲酒や喫煙は鼻の粘膜にダメージを与える一因になり、症状の増悪につながります。

花粉症の治療

第二世代の抗アレルギー剤(抗ヒスタミン剤)

現在の主流は第二世代の薬剤であり、眠気やのどが渇くといった副作用がでにくい薬剤となっています。

ステロイド点鼻薬

ステロイド点鼻薬は単独でも効果はしっかり証明されています。ステロイドというと副作用が怖いイメージがあるかもしれませんが、点鼻薬は局所投与であり、薬剤が全身に回ることはないので、飲み薬や注射のステロイド剤とは別物であり、心配なく使用できます。

その他の薬剤

ロイコトリエン受容体拮抗薬や漢方薬、そして新しい抗体医薬(ゾレアという薬)もあります。必要に応じて、相談しながら薬剤を選択していきましょう。

舌下免疫療法(アレルゲン免疫療法)

花粉症はもともと完治させることが難しい病気ですが、最近、アレルギーの原因物質に体を慣らしていくアレルゲン免疫療法の普及によって、花粉症を根本的に改善させられる可能性が広がりました。
スギ花粉症もしくはダニアレルギーに対しては保険適用の治療法となります。アレルギーの原因である花粉のエキスを舌の裏に数滴たらし、体内に吸収させ、体を徐々に花粉に慣らして過剰な免疫反応をなくしていきます。毎日投与が必要であり、なおかつ3~5年は続ける必要がありますが、正しく治療が行われた場合、長期にわたってアレルギー症状を抑えることが期待できます。

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