医師が解説:マンジャロとリベルサスの違い


以下は「マンジャロ(Mounjaro)」と「リベルサス(Rybelsus)」の違いについて、比較したものです。
1. 成分と作用の違い
| 比較項目 | マンジャロ(Mounjaro) | リベルサス(Rybelsus) |
|---|---|---|
| 有効成分 | チルゼパチド(Tirzepatide) | セマグルチド(Semaglutide) |
| 作用機序 | GLP-1受容体作動薬+GIP受容体作動薬(2つのホルモンを同時刺激) | GLP-1受容体作動薬のみ |
| 特徴 | 2つのホルモン作用で、食欲抑制+代謝改善がより強力 | GLP-1単独作用。効果は確実だが比較的マイルド |
ポイント
マンジャロは「次世代型」と呼ばれる薬で、リベルサスより食欲抑制効果が強く、減量効果も出やすい傾向があります。
2. 投与方法の違い
| 比較項目 | マンジャロ | リベルサス |
|---|---|---|
| 投与方法 | 週1回の皮下注射 | 毎朝1回、経口(飲み薬) |
| 投与タイミング | いつでもOK(週1回同じ曜日) | 空腹時に服用→30分は飲食・他薬NG |
| 継続しやすさ | 注射に抵抗がなければ◎ | 飲み方が難しく効果に差が出やすい |
ポイント
リベルサスは飲み薬ですが「服用のタイミングと方法」に注意が必要です。
一方マンジャロは注射の手間はあるものの、効果が安定しやすいのが特徴です。
3. 効果の比較(体重減少・血糖改善)
| 効果 | マンジャロ | リベルサス |
|---|---|---|
| 体重減少 | 非糖尿病者で平均15〜20%減少(72週間の臨床試験) | 最大14mgで平均7〜10%減少(52週間の臨床試験) |
| 血糖改善 | HbA1cを平均2.0〜2.5%低下 | HbA1cを平均1.0〜1.5%低下 |
| 効果発現 | 比較的早い(2〜4週で変化) | 緩やか(4〜8週で変化) |
医師コメント
マンジャロのほうが減量・血糖コントロールともに強い傾向。
ただし、強い=合うとは限らず、副作用や体質で選択を変えることもあります。
4. 副作用と注意点
| 主な副作用 | 共通点 |
|---|---|
| 吐き気、嘔吐、食欲不振、便秘 | 両薬ともGLP-1作用による消化器症状が多い |
| マンジャロ特有 | めまい、倦怠感、やや強めの胃腸障害 |
| リベルサス特有 | 飲み方を誤ると吸収不良・効果低下 |
5. 向いている人の違い
| タイプ | 向いている薬 |
|---|---|
| 注射に抵抗がない・確実に効果を出したい | マンジャロ |
| 注射が苦手・軽度の肥満や血糖コントロール目的 | リベルサス |
| 忙しくて毎朝の服薬管理が難しい | マンジャロ |
| 飲み薬でまず試したい | リベルサス |
医師のまとめ
- リベルサスは飲み薬の手軽さが魅力。軽度〜中等度の肥満・糖尿病向け。
- マンジャロは効果が強く、特に肥満やインスリン抵抗性が強い人に有効。
- 両者とも「食欲抑制効果」で痩せるが、生活習慣の見直しが前提。
医師コメント
「どちらも“食欲を抑え、血糖を整える”薬です。効果の強さよりも、続けやすさと安全性で選ぶことが大切です。」
マンジャロ vs リベルサス
「マンジャロ(Mounjaro)」と「リベルサス(Rybelsus)」のどちらを選ぶべきか、実際に医師が判断する時の基準をもとに、フローチャート形式でまとめました。
― 診療でよく使われる判断フローチャート ―
【スタート】
↓
① 患者さんは注射に抵抗がありますか?
├── はい → リベルサスを検討
↓ いいえ
② 強い体重減少効果を希望していますか?
├── はい → マンジャロを優先
↓ いいえ
③ 毎朝の服薬管理(空腹時30分ルール)が守れそうですか?
├── はい → リベルサスでも可
↓ いいえ
④ 生活リズムが不規則・朝が忙しい?
├── はい → マンジャロ(週1注射が適)
↓ いいえ
⑤ BMI・血糖コントロールの目標値は?
├── 高め(BMI30以上/HbA1c高値)→ マンジャロ推奨
├── 軽度(BMI25前後)→ リベルサスでも十分
↓
【結論】
- 「注射OKで強い効果を狙う」→ マンジャロ
- 「まずは飲み薬で試したい」→ リベルサス
医師の実際の考え方(臨床現場より)
| 判断ポイント | 医師の視点 |
|---|---|
| 体重・血糖の改善目標 | 高めならマンジャロ。リベルサスは初期治療向き。 |
| 服薬アドヒアランス | リベルサスは服用方法が複雑なので、継続に自信がある人向き。 |
| 費用面 | マンジャロの方が効果が強い分、高額。 |
| 副作用への耐性 | 消化器症状が強く出やすい人は、低用量のリベルサスから開始。 |
医師コメント
「どちらも“食欲を抑え、血糖を整える”薬です。効果の強さを大事ですが、安全性も考慮することが大切です。」
そして、「“どちらが効くか”よりも、“続けられるか”が最重要です。」
また、「治療効果を最大限にするためには、患者さんの生活スタイルとモチベーションに合わせることがポイントです。」
よくある質問(Q&A)
マンジャロやリベルサスを使うと「リバウンド」しやすいって本当ですか?
どちらの薬も「食欲を抑えることで体重を減らす」仕組みのため、服用をやめると徐々に食欲が戻り、体重がリバウンドする可能性があります。
ただし、薬を中止しても生活習慣(食事・運動)を維持できれば、体重をキープしやすくなります。医師と相談しながら「減薬・中止のタイミング」を調整することが重要です。
マンジャロやリベルサスはどのくらいの期間続ける必要がありますか?
明確な「期間の上限」はありません。糖尿病治療では長期継続(1年以上)が一般的で、肥満治療目的でも6か月〜1年程度の使用で体重が安定してくることが多いです。
ただし、副作用や効果の変化、体重の停滞が見られたら、医師が用量調整または中断を検討します。
「短期間でやめる薬」ではなく、「体質改善をサポートする薬」という位置づけです。
マンジャロとリベルサスを併用できますか?
併用はできません。
どちらもGLP-1受容体を刺激する薬で、作用が重なりすぎるため副作用(吐き気・低血糖など)のリスクが高まります。
通常は、どちらか一方を選択します。
もし「リベルサスで効果が弱い」と感じた場合は、医師の判断でマンジャロに切り替えることがあります。
マンジャロ・リベルサスを使うと筋肉は減りますか?
体重減少の中には脂肪だけでなく、一定量の筋肉減少も含まれます。
特に急激に痩せると筋肉が落ちやすく、代謝が下がる原因になります。
そのため、薬を使っている間もタンパク質を意識した食事・軽い筋トレ(週2〜3回)が推奨されます。
医師や栄養士がサポートすることで「筋肉を維持しながら健康的に痩せる」ことが可能です。
リベルサスを飲むとき、水以外(お茶・コーヒー)で服用しても大丈夫ですか?
いいえ。必ず水(約120mL以下)で服用してください。
お茶やコーヒー、炭酸水には成分吸収を妨げる要因があり、効果が下がる可能性があります。
また、服用後30分間は飲食・他の薬の服用を避ける必要があります。
このルールを守ることで、リベルサスの吸収率が安定します。
マンジャロの注射は痛いですか? 自分で打てますか?
マンジャロはペン型デバイスを使用するため、注射針が非常に細く、ほとんど痛みを感じません。
多くの患者さんが「想像よりずっと簡単」と感じています。
お腹や太ももなど皮下脂肪がある部分に、週1回、数秒で完了します。
初回は医療機関で看護師が指導してくれるため、自宅で安全に自己注射できます。
費用はどのくらいかかりますか? 保険は使えますか?
糖尿病治療として医師が処方する場合は、保険適用になります。
ただし「肥満治療(美容・ダイエット目的)」での使用は自由診療(自費)となり、相場は以下の通りです(2026年現在の一般的な価格帯):
| 薬剤 | 自費診療での目安価格(月額) |
|---|---|
| マンジャロ | 約25,000〜40,000円前後 |
| リベルサス | 約10,000〜25,000円前後 |
自由診療ではクリニックごとに価格差があるため、初回カウンセリングで費用とプランを確認するのが安心です。

