痛風発作・高尿酸血症の治療

高尿酸血症・痛風発作

日本での高尿酸血症の患者数は年々増加傾向にあり、推定30万~60万人とされています。これまで50代から発症すると言われていた痛風は、近年若年化していて30代から発症するようになってきました。(日本痛風・核酸代謝治療ガイドライン参照)
健康診断などで血清尿酸値が高いと言われたら、早めに受診して下さい。

痛風発作を発症している場合

痛風発作のほとんどは、足の親指の付け根に激しい痛みがあり赤く腫れます。発作を発症すると歩くことも困難で、痛みは1週間から10日間継続します。適切な治療を受けないと痛風発作を不定期に繰り返してしまいます。

痛風発作を既に発症している場合は、炎症を抑える非ステロイド抗炎症薬を用いて治療します。非ステロイド抗炎症薬には、炎症や痛み、発熱を抑える効果があります。痛風発作前の違和感がある場合は、コルヒチンという薬を使うこともあります。早めに当院を受診してください。

尿酸値が高いとは

体内でプリン体という物質が分解されてできる物質が尿酸です。運動するときのエネルギー源の1つであるプリン体は、主に肝臓で分解されて尿酸になります。尿酸は、体内に一時的に溜め込まれた後、尿や便として排出します。
1日に生成される尿酸は、およそ700㎎とされ、健康体であれば1日に排出される量もだいたい700㎎で、体内の尿酸は常に一定量に保たれています。しかし、過食や飲み過ぎると、この循環バランスが崩れて、体内の尿酸量が増えてしまいます。この状態を高尿酸血症と言います。

尿酸値が高いと痛風になることもあります

尿酸は、通常血液中に溶けていますが、尿酸量が増えると血中に溶けきれず結晶化してしまいます。結晶化すると関節に溜まります。この状態で運動などをすると尿酸結晶の一部が関節液の中に剥がれ落ちます。剥がれ落ちた尿酸結晶を白血球が除外しようと集まり炎症を起こす物質が発生します。この物質が痛風の原因となります。尿酸結晶が関節にある限り、発作や痛みが治まっても再発する可能性があります。

痛風発作を起こしやすい方

  • お酒が好きでたくさん飲む方
  • 糖分の多いジュースや清涼飲料水をよく飲む方
  • 食べ過ぎる方、肥満の方
  • 激しい運動が好きな方
  • 過度なストレスを抱えている方
  • 水分をあまり摂らない方
  • 親族に痛風患者がいる方

 

尿酸値の検査

血液中の尿酸値について

血液中の尿酸値
(単位:mg/dL)
対応の目安
<7.0 正常
<8.0 生活習慣の改善をする
<9.0 専門医に受診と生活習慣の改善をする
≧9.0 専門医に受診し治療開始する

健康診断での血液検査で尿酸値の数値が分かります。尿酸値が>7.0㎎/dlの場合は、早めに当院を受診して下さい。尿酸値の改善について説明致します。

高尿酸血症の治療

プリン体の摂り過ぎが主な原因なので、まずは食生活を中心にした生活習慣の改善を図ります。

食事運動療法

内臓類、肉類、魚介類、アルコール(特にビール)など、プリン体を多く含まれる食品など、高カロリー食を控えます。肥満は血中尿酸値を高め、痛風・高尿酸血症のリスクを高めるので肥満解消のため、日頃から運動を習慣付けましょう。

薬物療法

食事療法や運動療法で効果が得られない場合は、薬物療法を用います。また、既に尿酸値が一定値を超えている場合、尿酸値を下げる薬での薬物療法を検討します。尿酸値を下げる薬は2種類あります。1つは、尿酸の排出を促進する「尿酸排泄促進薬」、もう1つは体内で尿酸の生成を抑える「尿酸生成抑制薬」です。

高尿酸血症のタイプ 尿酸排泄低下型 尿酸産生過剰型
薬の種類 尿酸排泄促進薬 尿酸生成抑制薬
一般薬剤名 ベンズブロマロン、
プロベネシド
フェブキソスタット、
アロプリノール

痛風発作を発症している場合

痛風発作を既に発症している場合は、炎症を抑える非ステロイド抗炎症薬を用います。非ステロイド抗炎症薬には、炎症や痛み、発熱を抑える効果があります。痛風発作前の違和感がある場合は、コルヒチンという薬を使うこともあります。

痛風・高尿酸血症の予防について

TOPへ