新型コロナウイルス後遺症(Long COVID)外来

新型コロナウィルス後遺症でお悩みの方へ

当クリニックでは2021年4月以降、新型コロナウイルスの後遺症でお悩みの患者さんへの対応を積極的に行っており、これまでに累積で600人を超える方々の診療を行ってきました。
また、2021年にご来院頂いた計286名のコロナ後遺症患者さんのデータを解析して、得られた結果を米国の科学誌であるJournal of Medical Virology誌に論文報告致しました。まだまだ全容が明らかになっていない病気ではありますが、これまでに得られたデータに基づいた診療を心がけております。

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※発熱外来ではないため、新型コロナウイルス感染症による症状の方はご遠慮頂いております。新型コロナウイルス感染の診断を受けた後、保健所から療養期間の終了を通達されてから受診して頂きますようお願い致します。

新型コロナウイルス感染症の後遺症(Long COVID)とは?

2020年2月以降、微熱、倦怠感、強い疲労感、しびれ感、呼吸苦、頭痛、食欲不振などの様々な症状が長引く、あるいは増悪(悪くなる)と寛解(良くなる)を繰り返している多くの方が世界中から報告されています。診断基準や調べ方が国によって異なるため正確なデータはありませんが、3か月以上症状が持続する方は5~10%程度いると推定されています。中には、80%以上の方に何らかの後遺症があるというイタリアの調査報告もあります。後遺症を訴える患者さんは20~40代の方に多いというデータもありますが、この後遺症は、新型コロナウイルス感染症の重症度によらず起こり得るため、軽症の方も例外ではありません。

新型コロナウイルス感染症の後遺症(Long COVID)の症状

以下に訴えの多い症状を列挙します。

などなど症状は多岐に渡ります。
少しでも心当たりのある方は、是非お気軽にご相談下さい。

新型コロナウイルス感染症の後遺症 (Long COVID) の診断

新型コロナウイルス感染症の後遺症 (Long COVID) の診断や定義は、まだ特定のものがありません。COVID-19発症後、一定期間経過したにも関わらず、症状が持続する、または断続的に症状が出現するような経過から診断します。その他の病気による症状である可能性も否定できないため、総合的な判断となります。アメリカでは新型コロナウイルス感染症の発症日から4週間以上、イギリスでは12週間以上、症状が継続する場合に新型コロナウイルス感染症の後遺症 (Long COVID)と診断されており、国によって期間にばらつきがあるのが現状です。

新型コロナウイルス感染症の後遺症(Long COVID)の原因

諸説ありますが、現状ではよく分かっていません。新型コロナウイルスは、肺や心臓、肝臓そして血管を中心に身体の様々な場所にある受容体に付着するため、ウイルスによる様々な臓器への直接的な障害であったり、ウイルスに対抗すべく体内で炎症反応が起こり、その炎症に伴いサイトカインと呼ばれるタンパク質が過剰に分泌されて起こるサイトカインストロームの影響であったり、あるいは身体に抗体が出来ていないことによる不十分な免疫応答などの関与などが報告されていますが、全てまだ仮説レベルです。私個人の仮説は、ウイルス感染を契機に身体に大きなダメージ・ストレスがかかり、そのために自律神経のバランスが崩れることが影響しているのではと考えています。

新型コロナウイルス感染症の後遺症(Long COVID)の治療

現在のところ、新型コロナ感染後遺症に対する根本的な治療法は見つかっておりません。患者さん1人1人の症状に応じた対症療法を行っていきます。
経過に個人差がありますが、適宜必要に応じて、適切な漢方薬やその他の内服薬、さらには吸入薬などを用いて、出来るだけ早期に回復されるよう内科的に治療しております。
また、コロナ後遺症の大きな特徴として治療効果に個人差が大きく、良くなってはまた悪くなるといった不安定な経過を辿ることがあります。そのため、精神的にもとてもタフな病気だと言えます。そして、「コロナうつ」という言葉もあるように、気持ちがふさいだり、気分が乗らないなどの精神面の症状にも多くの方が悩まれており、仕事が手につかないなどの社会的な問題の原因となっています。
そこで我々は、内科的な治療の他に、コロナ後遺症専門カウンセリングサービスを開始致しました。心身両面からサポートさせて頂くことで、コロナ後遺症に悩まれていらっしゃる患者さんの社会復帰を少しでも後押しさせて頂ければと考えております。是非、お気軽にご相談下さい。

コロナ後遺症カウンセリング

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